【20/12月期】 ジローグループ($Z,ZG)決算発表。CEOコメント、質疑応答まとめ

Zillow Group($ZG)の会社概要

不動産テック企業のジローグループは、米国市場で最大の不動産売買のマッチングサービスを提供しています。不動産売買と、賃貸マーケットにおいて、最大級のオンラインプラットフォームを中心として、不動産仲介、直接的な売買(iBuyer)、不動産ローンの申し込み・運用などの包括サービスを提供している会社です。アメリカでは、グーグルで不動産と検索するより、Zillowという検索する方がメジャーな位置づけとなっているようですね。最も注目すべきは、iBuyer事業。これはOpendoorのシェアが断トツに高いのが現状ですが、2019年から本格的にZillow Groupも参戦し、既存のサービスをさらに拡大することで売上を伸ばしています。

不動産売買に関するEnd to Endの全要素をプラットフォーム化し、不動産業界のAmazon的位置づけを目指している企業。ARK社のETFにおいても、破壊的イノベーション企業として、常にETFの中で高い構成比率を誇り、注目度が高いです。(ARKFはZGが構成比率2位)

Zillow Group($ZG)の決算内容

EPS, 売上、ガイダンス共に予想を上回り、良い決算を発表しました。株価もコロナの底値から5倍を超え、ホルダーの方は安心して主力ポートフォリオとして活躍しているのではと思います。やはり不動産の最強プラットフォーマーとして力強い伸びを見せていますね。

決算サマリー

EPS:$0.41(予想:$0.27) ◎
売上高:$788.95M(予想:$740M)◎
Q1ガイダンス:売上高 $1.069B(予想:$892M)◎

売上推移

次の四半期のガイダンスが、$1069Mと急回復を見せる予測を出しています。

売上成長率(対前年同期比、対前期比)

セグメント別売上比較

Zillow Groupの決算は、IMT、Homes, Morgageを三つのセグメントに分けて説明がされます。中でも最も成長を期待したいのは、Homeセグメントです。Ibuyer事業に乗り出して、住宅の取引ビジネスも売上に計上することになり、このセグメントの伸びが期待されています。

EPS(一株当たり利益)推移

EPSは5四半期連続のビートです。今期も前期と同様に黒字を維持しました。

CEOコメント

2021年最初の決算コールにご参加いただき、ありがとう。2月はZillowにとって大きなマイルストーンである15周年の記念日を迎えた。COVIDの社会、ビジネス、政治、不動産の影響については様々な議論があるが、今日の決算コールにおいては、2020年のZillowの素晴らしい業績に焦点を絞ってお話ししたいと思う。

2020年のモバイルアプリとウェブサイト全体のエンゲージメントが、これまで考えられなかったレベルに達していることを確認した。何が変わったかというと、多くの人々は今、移動する自由を持っているということだ。私たちの調査結果とトラフィックを見ると常に人々が不動産についてチェックし、移動したいことを示している。通勤やオフィスから紐付けられていない多くのアメリカ人は、どのように、どこに住みたいかを再評価し始めている。

この文化的傾向は、私たちが「大規模な再編成(Great Reshuffling)→生き方、住み方の大転換のようなニュアンス??」と呼んでいるもので、テクノロジーの継続的な改善とともに、2020年の間にモバイルアプリやウェブサイトへの訪問者数は96億人に達した。これは2019年よりも15億件多い訪問数だ。

全国の多くの企業がリモートワークに関する結果を評価している中、Zillowは、伝説のデューク大学のバスケットボールコーチが好んで言う「Next Play!」に目を向けている。

Zillow社のエコノミストは、今年の住宅市場はさらに堅調になると大胆な予測をしている。彼らの予測によると、住宅販売件数は680万件で21%の伸びを示し、さらに住宅価格は2桁の上昇を示すとのこと。我々は、オフラインからオンラインへのメガシフトに起因する住宅市場の周期的な気まぐれに依存していない。

しかし、住宅不動産は今後もリスクの高い軌道をたどると考えている。ミレニアル世代は住宅購入のプライムイヤーに突入しており、住宅ローン金利は歴史的に低い水準にある。これらのマクロ要因の上に、過去1年間は、すべての世代のメンバーが、”Great Reshuffling”が続く中、彼らは柔軟性のある考え方を持ち、どこに住処を再考してきた。

歴史的に低い在庫にもかかわらず、2020年は、2006年以来の最高レベルである560万件の既存住宅販売で締めくくられた。

非常に健全な住宅市場を背景に、2021年はZillowにとって極めて重要な年になると考えている。私はこの2年間、Zillow 1.0というメディアに特化したビジネスから、Zillow 2.0という取引に特化したビジネスへの移行についてお話してきた。

筆者補足:Zillow 1.0では販売者とエージェント、購入者を繋げるメディアエンゲージメントが主流でしたが、Zillow 2.0においては、より実取引に介在し、ビジネス領域の拡大を目指しています。エンドツーエンドで不動産の検索から購入に至るまでのすべてのビジネスをプラットフォーム化しようとしています。最終的には、不動産をワンクリックで購入できるような仕組みの導入をゴールとして謳っています。

今日では、Zillow 2.0を実行するためのビジョン、チーム、テクノロジーソリューション、顧客向けの製品やサービスが揃っていると信じている。私たちは、顧客のワンクリック取引への長い道のりの中で、製品やサービスの革新と追加を続けていく。

ホットな市場であることに加えて、エージェントや顧客は安全性、利便性、そしてシンプルに競争するために技術やツールを採用しており、価格の上昇はもちろん、市場に多くの在庫が流れてきている。そのために、お客様がより簡単に移行できるような技術やサービスに積極的に投資している状況だ。

私たちは、モバイルアプリから始まる未来の体験を想定している。お客様は、3Dホームテクノロジーを使って住宅の中に入り、エージェントと一緒にShowingTimeを使って実際のツアーを見て、Zillowの住宅ローンで事前資格を取得し、プレミアエージェントと協力して住宅を購入し、Zillowのクロージングサービスで取引を完了させることができる。私たちのお客様は、今Zillowが提供できるシームレスな体験に飢えている。私たちが全国各地で実施し始めたプログラムでは、Zillowの

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OKU

OKU

米国グロース株に投資されているブロガーさん。各決算を詳しくブログに書いてくださっています。

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